ゴロゴロ転がり日々行進

気だるい社畜の雑記。

コミックマーケット96(2019夏)初参戦の地方新兵がコミケ2日目に参加するまで

 

東北の上の方に住む地方オタク女が夏コミ(C96)2日目に参加するまでを若干のフィクションを混ぜて記録しています。

 

 

6月7日

コミケ当落発表日。

Twitter上で推しジャンルの神絵師が続々と当選を報告する。

毎年実家の盆の手伝いに行くオタク女子大生、お品書きの中に通販なしの字を発見。

C96でのコミケ初参戦を検討する。

とはいえ先人の言葉は毎年目にするので自分の体調を思い1ヶ月近く二の足を踏む。

(1日1食・睡眠不足・運動不足の三重苦)

 

 

6月19日

プロメアを見に行く。もうすぐ上映が終わると言われる割には小さなシアターが満員になっていた。

鑑賞し頭をぶん殴られたような衝撃を受ける。

皆ぶん殴られたのか、のちに上映期間が伸びて応援上映も大きい方のシアターで開かれた。

ここで生命力に満ち溢れたためか、以後もどこか思い切りが良くなる(自作の炎カバーをキンブレに取り付けるため、オーロラクリアバッグを売っている遠方のセリアまではるばる買いに行った)。

 

 

7月12日

一旦実家に帰る。

学部の研究グループでコミケ前に山登りが開催されるとの事で、半分気は進まなかったがとりあえず実家から登山用リュックを回収する。

中学生くらいから所有しており、体の成長に伴って構造はしっかりしつつ相対的に小ぶりになっている。物持ちが良い。

小ぶりならコミケにも使えるかなという魂胆である。

実家でダラダラして妹とも遊ぶ。

妹と遊んでいる最中で体力のなさを改めて痛感する。

 

 

7月19日

休み中の日程をやっと把握。お盆前ならギリギリで何とかなることが判明した。

コミケへの参加を本格的に決意する。

退路を断つため往復の夜行バスを予約。

世間は夏休み始めの辺りであるためか、座席が残りわずかなところへの滑り込みだった。

 

この日から本格的に情報収集を開始。

コミケ雲などは知っていたが、「初心者は冬参加からが良い」「毎年傷病者が出る(主に熱中症)」「救護室は野戦病院の様相を呈する」との情報に戦慄する。

加えて今回からオリンピック開催の関係で4日間開催となり、西・南館+青海展示棟というイレギュラーな布陣になっていることを知る。

ビッグサイトへはイベントで一度しか行ったことがないため弱気になったものの、後には引けない。

さながら地方を出る志願兵の心境である。

この日よりささやかながら体調を考えて、ジュース類を控えた水かお茶での水分補給と最低1日2食を心がけ始める。

 

 

7月20日

最寄りのアニメイトにカタログを買いに行く。厚みに驚愕する。

2日目のみの参加だが他の日程のサークルカットも面白い。

興味のあるジャンルが別日だったので、機会があれば複数日に渡っての参加もしたい。

カタログの諸注意やまんレポを読み込みながらオタクのパワーに感動を覚えるなどする。

準備会の人達ってほんとに凄いんやなぁ……

 

 

7月26日

山登りはこの日だったものの用事で結局行けず、登山用リュックはいよいよコミケ仕様に。

しかし山頂付近の天候が芳しくないため9月まで順延になっていたことをのちに知る。

 

 

7月27日

1週間後に部屋へ入る工事のため、汚部屋をどうにかしようと決意。

就活などによるうつ状態や布団替えのタイミングの悪さなどで目も当てられない状況であった。

コミケと帰省の前に懸念は一掃せねばならぬとこの日から2daysで大掃除を敢行。

部屋というアリーナを色とりどりに埋めるゴミが大袋に詰め込まれ、花吹雪のごとくホコリが舞う。

東北の上の方でも毎年普通に30度を超えるなどして暑いもんは暑いので汗でシャツがデボデボになる。

夜には「ダンベル何キロ持てる?」のオープニングを聴きながら軽い筋トレを始めるなどする。

 

 

7月28日

午前に大掃除があらかた終わる。

午後に小物の整理を行おうとしたが、メインジャンルである『怪盗クイーン』『夢水清志郎』『都会のトム&ソーヤ』などを執筆するはやみねかおる先生のサイン会にて「『都会のトム&ソーヤ』実写映画化決定」の報が飛び込む。

これによりTwitter上でお祭り騒ぎとなり掃除どころではなくなる。

90%は綺麗になっているので良しとする。

実写映画は来年のオリンピック以降だそうです。よろしくお願いします。

 

 

8月2日

コミケ開催1週間前ということで装備の買い出しに本腰を入れる。

帽子やタオル、冷却グッズなどをちまちまと揃えるが保冷剤がどうしても見つからず。

気づけば長時間帽子なしで炎天下にいたため軽い脱水を起こしており大慌てで帰還。コミケ前によい教訓となった。

以後、無理はせず前日までに少しずつ外出して物品を揃える。

 

加えて現地での治安を鑑み、本格的に見た目の戦闘力向上を検討し始める。アクセサリー系は落ちた場合悲しくなるのでなるべく体から離れない装備を……と考えた結果、

・髪を染める

・ごつい指輪をはめる

・タトゥーシールを貼る

となった。

過激な色は似合わないので落ち着いた髪色の範囲で吟味する。

 

 

8月6日

深夜、眠れなかったので勢いで髪を染色する。

蛍光灯の下でなら何となく変化が分かる感じの茶色になる。

バタつきながら染色を終えて髪を乾かしたところ、去年からしぶとく髪に残っていたパーマ癖が綺麗さっぱり消失する。久々のストレートロングだ

翌日の買い出し時、陽光に当てられてすこし明るい色になった気がする。

 

 

8月8日

徒歩40分の場所にあるスーパーでようやく保冷剤を発見する。

大抵めんどくさがって買い物は行動圏内のコンビニや大学購買で済ますのだが、遠出したかいがあった。

小銭を減らしたくなくてバスには乗らず、自転車も持たないため完全徒歩移動である。

麦茶のペットボトルがこの道中で2本空になった。

スーパーで桃を買って食す。

 

 

8月9日

コミケ1日目。

例年のごとくお祭り騒ぎの様子をTwitterで見て楽しむ。今年は有料リストバンドのおかげで徹夜組もだいぶ抑えられたようである。

明日はこの場所に私がいるのか……と思いながら持ち物の最終確認。

セブンATMでSuicaチャージができることを初めて知る(Suicaが使えない田舎駅から出てきた人間なので)。

見た目の戦闘力に関して、先日の装いにプラスして青と金のラメネイルをそれぞれ左右の手に塗る。

首元に小さいタトゥーシールもくっつけているので「地味なオタクかと思ってよく見ると絶妙に近寄りたくない奴」が完成する。

会場を離れたら大江戸温泉物語に寄る予定なので、このシールは離脱後すみやかに落とさねばなるまい。

夜、ひと気のない市バスに揺られて駅へ。夜行バスに無事乗車。

4列席でギュウギュウなタイプ(そのぶん安い)だったため、恐らく合計しても2時間ほども眠れないまま夜を過ごす。

 

 

8月10日

コミケ2日目。私の一番長い日である。

バス内が狭いなりに迷惑をかけないよう、バスターミナルなどを駆使して尋常ならざる集中力でメイクと装備を完成させる。

八重洲口から臨時直行バスへ乗る。ある程度詰めて乗せてから出発するため、なんてオタク密度の高い……と思っていたが本番はこれからである。

7:00少し前くらいに待機列に並ぶ。既にかなりの長さの列が形成されており少しゲンナリする。しかし私の後ろにも長々と続いていく列を見て呆然とする。

8:00くらいに動くと言われたが、後ろの方なのでそれからさらに1時間半?ほど待つことになった。炎天下との戦いである。

もはや恥も外聞もなく(迷惑にならない範囲で)汗を処理しヒヤロンを潰しレジャーシートにあぐらをかいて凍らせたポカリをガブ飲みして顔を煽ぐ。どんだけやってもまだ暑い。直射日光は帽子とタオルで避け、アームカバーも完備だがとにかく暑い。蒸れる。

やりすぎなくらい準備してきてよかった……と思った瞬間であった(半日参加だったので余った飲み物が重くて苦労はしたが)。

ヒーコラ言って汗を拭きつつ、遠くでメガホン越しに叫ぶスタッフさんの声に耳をそばだてる。あぐらをかいて両手を耳に当てるポーズは後で気づいたが完全に有情破顔拳であった。

 

列が動いてからはお目当てのサークルに向かって一直線である。ノルマの買い物をこなす中で気づいたが、意外にも若干の冷房を感じた。人はクソ多いが例年言われるほどの熱気がない。

落ち合ったジャンル仲間のベテランによれば「4日間だし企業ブースも遠くなって人混みが分散されたのでは?」との事。これより多いのか。唖然とする。

昔から人間との衝突回避スキルだけは無駄に高い人間なので、人混みを縫うように歩きつつ戦利品を回収する。アッという間に軍資金が溶ける様はさながら魔法のごとしである。

しかしあまりの暑さに、コスプレを眺める余裕もなく昼ごろ早々に退散した。まどほむが見られたので良しとする。

両足の親指に肉刺が出来ていた。

 

離脱後はゆりかもめに揺られて大江戸温泉物語へ。観光用のお金をなけなしの理性で残していてよかった 意思の強いオタクだ

初利用で戸惑いつつも浴衣をまとい浴場へ。ちょっと身長と浴衣のサイズを間違えたようでダボダボになる。

コミケ後の汗を流し、頭のてっぺんからつま先までさっぱりした。

その後はバルーンアートをやるピエロを眺めながらラーメンとクレープを食べた。予算を少しオーバーしたが良し。

大江戸温泉物語で汗まみれの服も着替え、スッキリした状態で今度は浅草へ行く。都心を移動する際やはりSuicaは大変便利だ。しかし田舎の我が街においてはただのペンギンが描かれたプラ板である。悲し。

浅草では仲見世通りをひやかしつつ浅草寺に参拝する。戦利品などはコインロッカーに置いたので身軽であった。胃腸のあたりと、肩こりや頭痛があるので上半身に煙を浴びる。おみくじ、吉。

趣味のかんざし集めの一環でかんざし屋に寄る。店員さんが気さく。最近は2本差しも流行っているとかで、私の髪で実演してくれると言う。

しかし私は店員さんよりはるかにタッパがあった上、毛量がラーメン二郎であるため「……ハーフアップでやってみましょう!」となる。髪が屈強でごめんなさい。

試着は綺麗に仕上げていただいたので差し色になりそうな小さい木製かんざしを買った。サブとして使えそうである。

店員さんに髪の綺麗さを褒められ、コミケ前の染髪が成功した証かと少し得意になる。お世辞でも嬉しい。あと汗だくだったが「髪からいい匂いがする」と言われたのは恐らく大江戸温泉物語のコンディショナーであろう。

隅田川の灯篭流しを少しだけ眺めて東京駅に戻る。

 

それから3時間ほど駅構内の椅子で待機する。ゴミを整理整頓しても軽くならない登山用リュック。半日参加だったため余った水分と戦利品がものすごい重さになっている。幸せの重みだ。

夜行バスの発着場で迷いつつも何とか乗車。今度はゆったりしたバスだったので、疲れもあってか朝まで熟睡した。

 

 

8月11日

コミケ3日目。今度は私の一番短い日である。

6:40に夜行バスを下り、朝食代わりに駅で軽食を確保してバスに揺られアパートに戻る。

アパートで装備を解き、カバンの中を整理し、風呂に入り、下着だけの状態で力尽きて眠りについた。

そして起きたのが16時。ゆうに9時間は寝ていた。しかも部屋の冷房は切りっぱなしだったため屋内が30度以上に。慌てて冷房をつけ、汗を拭き、部屋をある程度整えてひとまず眠りにつく。

そしてまた翌日の朝まで寝た。寝過ぎだ。

 

 

8月12日

コミケ4日目。最終日である。

この日実家への帰省を予定していたことをすっかり忘れていたため、大慌てで支度をする。若干荷物を詰め忘れたがそれはもう仕方ない。ドタバタとアパートを飛び出し、新幹線と電車に揺られて実家に戻る。

実家ではコミケのニュースを見たり、東京での思い出を話したりして過ごした。

で、今である。

 

 

 

 

田舎民コミケ一般参加の教訓(夏)

・やりすぎなくらいに準備をすべし。

(お金や入場証以外で持っていったもの:朝食のおにぎり、着替え、凍らせた麦茶ⅹ2/ポカリ/水、普通の麦茶/ポカリ/水、塩飴、扇子、保冷剤ⅹ3、ヒヤロンⅹ2、冷えピタⅹ4、レジャーシート(待機列で座る。折りたたみ椅子の方がいい)、汗ふきシート、無香タイプの制汗剤、デオナチュレのさらさらクリーム)

(装備:キャップ、タオルⅹ2、スポーツウェア(半袖)、冷感アームカバー、伸縮性ジーパン、靴下、スポーツシューズ)

(カバン:小型登山用リュック、肩掛けポーチ、トートバッグ)

・ただし半日参加の場合水分は半分でもよし。

Suicaは買っておいた方がいい。たとえ出発地がSuica使わないド田舎でも何とかして手に入れるべき。都会のリズムで切符は買えない。

私は2500円チャージしてちょうどよかった。最近はネットでも買える。無記名のやつで十分。

・なるべくなら前後の日程は宿泊施設を予約しておいた方がいい。夜行バス移動は体力がないと死を覚悟する。

・にぎり飯で半日駆動できたので米は最強。パンではいけない。米を食え。

・スリや置き引きはどうしても発生する。本当に本当に最低限失くしたくないもの(私の場合は財布・スマホ・腕時計・命)は手と目の届くポーチなどに入れ、時折所在を確認すること。

コミケ帰還後に予定がある場合はある程度支度を済ませてからコミケに向かうこと。疲れて使い物にならなくなる可能性がある。

・準備会の皆さんやサークルの皆さんへの感謝を忘れずに。

 

 

 

 

こうして私の初コミケ参加はおおむね成功で終わった。お疲れ様でした。

たぶん冬も行くと思います(冬なら東北民の寒さ耐性も活かせるかな)。