お久しぶりです。
趣味や卒業準備にかまけていたら前回の夏コミ日記から冬コミまでガバッと時間が空きました。
またボチボチやってこうと思います。
今回の日記は初の冬コミ参加についてである。
「初心者は夏より冬参加!」のアドバイスをろくに聞くことなく参加した夏コミから早4ヶ月。
何だかんだ元気に帰還した私は、冬コミに参加するかどうかを12月中旬まで決めかねていた。
コミケを終えたらもう正月だ。
実家に生を受けて22年、高校大学受験の時期ですら家の正月行事の支度を手伝ってきた私が、
冷静に考えれば異常事態である。
我が家は儀式ごとを大事にする家庭で、それでなくとも雪国の冬は極めて厳しい。
卒論も仕上げる必要がある。
親の反対は免れ得ない。
しかしコミケを目前に控えた12月下旬、実家でだらけていた私の前に重大な知らせが届く。
抗えない欲の前に、私は再び行軍を決意した。
以下に帰還までを記録する。
11月1日
冬コミの当落発表がある。
今回は参加どうしようかな〜とのんびり思案する。
なるべく余裕を持って行きたいが、実家にいることを考えるとそうもいかないかもしれない。
東京の寒さがどういう感じかよく知らないので、とりあえず準備だけでもしておこうと冬の必須アイテムを調べる。
12月初頭
コミケの原稿に関する先人たちの嘆きがそこかしこから響き出す。
自ジャンルの先輩が(コミケではないが)本を出すというので応援しつつ、冬の東京行きをどうするか考える。
なかなか結論は出ない。
2ヶ月前からコミケを意識していた夏と比べるとえらい違いである。
12月4日
推し(男性声優)に浅からぬ関わりを持っているイラストレーターさんがコミケ四日目への参加を明らかにする。
もしかしたら推しがブースに立つこともあるかもしれない。
余談だが声優のコミケ参加と言うとだいたい冬に集中するイメージがある(夏休み時期はイベントも被るので冬の休みの方が参加しやすいと思われる)。
まだこの時点では手に入れたい頒布物は出ないかもしれない、と様子見する。
12月上旬
卒論の執筆を本格的に開始。
字書きなりにタイピングには自信があるが、研究が本当に仕上がるのか? という不安は拭えない。
しかしやるしかないのでひとまず図書館で本を借りまくる。
このあたりでは「コミケには行かなくてもいいかな……」という思いが強い。
12月19日
前々から予兆はあったが推しがとうとうバ美肉した。
今流行りの「バーチャル美少女受肉」である。
そして仲間と共に、同月26日よりVtuberデビューをすると言い出したのがこの日。
これ自体は大歓迎のお祭り騒ぎだったが、私は諸手を挙げて喜べない。
かつ、その人の出展が件のVtuberプロジェクトに関するものであることも発表されている。
推しのバ美肉姿が単純に好みな女子だったこともあって、この一大イベントは私にコミケ参加しろと言っているようなものだ。
しかし時期があまりに悪い。東京行きを強行するべきか否か。
私は持ち前の"諦めの良さ"を発揮することに決めた。
すなわち、コミケでの頒布物の理想を想定より大幅に高く設定し、
この理想条件に達するものでなければ潔く諦める、という作戦である。
大学に上がってから万年金欠と言っても過言ではない私はこのやり方で幾度となく財布を守ってきた。だいたい勝率は7割くらいである。
頒布物想定は「Vtuber姿の設定資料(薄め)」。
ということで今回の理想設定は「設定資料集+何かしらのグッズ+声優やイラストレーターさん達のフルメンバーでブース立ち会い」である。
かなりハードルを引き上げて、私はプロジェクトの動向を応援しつつ注視し始めた。
一応交通手段も確認した。東京行きの深夜バスがまだあった。
12月20日
この日実家へ帰る。
帰る前にコミケの参加証のみ購入し、参加できる場合にはスムーズに事を運べるようにする。
地震など多かったこともあり心配していたが、両親は元気そうであった。
暖冬で、雪国なのに雪がちっとも積もっていない。雪遊びの好きな妹が不貞腐れている。
スキー場でも雪乞いをしているそうで、逆さてるてる坊主でも吊ってはどうかとアドバイスをしてやった。
しかし大晦日と正月は冬将軍が襲来する悪天候かもという話もあり、コミケ行きを相談すると「やめとけ」との返事。当然である。
12月26日
遂に推しがVtuber活動を開始する。なかなか設定のクセが強い。
そしてまだ出ないコミケの詳細に気を揉み倒す。
逆さてるてる坊主のおかげか、雨降り続きで雪が1センチ積もっては消えるを繰り返している。
午後には友人が我が家に来訪して簪をプレゼントしてくれた。
青い花やビーズがモチーフの可愛らしいものであった。
12月27日
とうとう出展内容の詳細が出る。
・フルメンバーの設定資料/イラスト本
・メンバーの描き下ろし立ち絵クリアファイル
・声優含むフルメンバーでの立ち会い参加
やられた。
想定の下どころかど真ん中を突き抜けられた。
これで行かなければ私は一生後悔するのではないか。
考えてみれば、多忙な推しのV活動が来年まで続いている保証はどこにもない。
続いていたとしてもコミケに本人が参戦するチャンスがそう上手く再来するのか。
グッズや本を通販で買えたとて、メンバーの皆さんを前にする体験は一度逃せばどんなに願っても叶わないのだ。
もう迷っている場合ではなかった。
30日の夜行バスに空きがあることを確認し、あとは予約をするだけという所まで進めて、母にコミケ行きを再度交渉する。
否、あれは交渉などではなく駄々こねである。
生まれてこのかた親に何かをねだってはうまく説得されて諦めてきた私が、ほとんど初めて使った駄々こねだ。
しかし当然断られる。
コタツの上に積まれたミカンをヤケ食いしつつ、断られるたびに交渉を繰り返す。
それでも首を縦に降らない母を諦めて、厳しい父にターゲットを切り替えた。
父は「卒業旅行でニューヨークなんかに行った方が有意義では?」というが、もともと予定は立てていないし今の私にとってはNYよりTokyoである。
駄々こねよりはいくぶん理性的に交渉を進めるが、「ひたすら理不尽な天候にキレ倒す」というそこそこ恥ずかしい手法を取った。
そして、なんとついに父が折れた。
母も父が言うならとしぶしぶ承諾し、私はその場で東京行きの夜行バスを予約したのであった。
31日の東京は晴れの予報。
地元は冬将軍到来の雪予報である。
止まるかもしれない帰りの新幹線に今更ビビり始めたが後には引けない。
夏よりもだいぶ深刻な退路の断ち方をしたが、これも全部オタク性分が悪いのだ。
バタバタと準備を始めた私に母が課した条件は1つ、
「31日のうちに無事帰ってくること」。
戦場へ赴く兵卒の気分を再び味わいながら、東京行きの荷物を揃えていった。
正月には生きて帰ってみせる。
12月28日
コミケ初日である。
両親は年末の買い物に行き、私自身は東京行きの準備を進めながら家の掃除をする。
外では雪がチラつく中、北国の穏やかな時間が流れていった。
成人済みで一人旅の心配は少ないことに加え、
欲しいものは滅多にねだらない・暴れない・粘らない娘だったこともあって前日の交渉はそこそこ効いていたが、
やはり年末のこの時期の行軍というと心配そうな親の表情が見て取れた。
というかあれだけ雪が酷くなるかも知れないと言われているのに行く行くと騒ぎ続けたことを考えると、許可が出た=半ば見放されたようにも考えられる。
仕方ない。オタクはいつでも自己責任で動くものだ。
夕方にはコンビニでチケットの支払いを済ませる。
ついでに貼るカイロ×10とポカリスエット1.4L(900ml+500ml)+水500mlを購入。
減っていく残高を見ないようにしながら買い物を完了した。
狙い以外の買い物はせず観光する暇もないので、夏ほどの大荷物でないのが救いか。
12月29日
コミケ2日目。
家の手伝いばかりで特筆すべきことは無い。
深夜に10年以上ものの電気温水器が壊れた。翌朝に復旧。
12月30日
コミケ3日目、出発の日である。
温水器が壊れたりで正直出かけるどころではないのだが背に腹はかえられない。
午後には雨も降り出しますます幸先が悪い。
辿り着く前に死ぬかも。
夜には準備を整えて駅へ赴いた。Suicaが大変便利だったことを覚えていたので忘れずチャージしておく。
そこまで深くない時間だと駅には複数の若者がいた。
我が街のシャッター商店街は一層静寂に包まれている。
年末のこんな時間でも、キャリーや紙袋を抱えて移動する老若男女はそこそこ多くいるものだ。
久々の夜行バスで身体をバキバキにしつつ眠りにつく。
12月31日
深夜1時にバスの停止で目が覚める(たぶん運転手さんの休憩)。
それからなかなか寝付けずうんうん(静かに)唸りながら朝を待つ。
コンセントが席に付いてないのは地味に手痛い。
バスの紹介にはコンセント付きと書いてあったが。
朝5時ごろにバスの中でメイクや身支度を済ませて八重洲で降りた。
6:30ごろの臨時直行バスに揺られてビッグサイトの足下まで行くと、前回来た時よりもものすごく遠くに最後尾がありちょっと愕然とする。
そこからモゾモゾ進んだり止まったりを繰り返して、結局列が本格的に入場に向けて動いたのは10:30であった。
悔しいことにその時間で企業のほうで目当てにしていたものが売り切れた。もっと早く行ければ……
仕方ないので右手の入場証を高く掲げながら西館に入場する。手に入らないものを嘆くより今目の前にある品を獲得する方が先である。
最も目をつけていたブースでは声優さん方が看板を掲げるなどしており、アノッアッ1セットクダサイと行ってお金を払ってものを受け取るので精一杯だった。
その後もいくつか迅速に各ブースを回ってVtuber中心に新刊を頂く。
東京と会場が暖かすぎるためカイロ3つを装備した状態では汗だくになっていた。
何しろ開会前の行列の頭上に陽炎が立ち上っていたのだから相当なものである。
その後はゆりかもめと地下鉄に揺られて東京駅へ向かい、新幹線で一路実家に帰還。
1行で済ませられるくらいには移動が虚無だったので仕方ない。
新幹線の自由席デッキでは立ちっぱなしの状態が続き、座れるようになってからは吸い込まれるように眠りに落ちた。
立っていた時、隣のお姉さんがケージにインコを入れて大きなビニールバッグで持ち運んでいたのが印象的であった。
帰宅後は戦利品や持ち物を確認し、神棚・仏壇・天照皇大神へのお参りを済ませて蕎麦を食べ、現在紅白を見ながらこれを打っている。
田舎民コミケ一般参加の教訓(冬)
・準備はもっと軽くても良かった。
(今回お金や入場証以外で持っていったもの:朝食のおにぎり、ポカリ/水、のど飴、マスク、カイロ×10(うち3コ使用)、汗ふきシート)
(装備:マフラー、スポーツウェア(半袖)、セーター、手袋、コート、伸縮性ジーパン、 110デニールのタイツ、靴下、ショートブーツ)
(カバン:小型リュック、肩掛けポーチ、トートバッグ)
・今回もSuicaと握り飯大活躍。
・冬の待機列は夏以上に手持ち無沙汰かもしれない。
大して寒くない上に後ろの方に回るといよいよやることが無くなるので何かしらゲーム機や本でもあると良い。
・ぶっちゃけ雪国の民は冬コミ参加非推奨だと思う。
理由としては(今回は暖冬だったからよかったが)帰りが吹雪になると列車が止まっても仕方ないため。
「初参加は冬から」というのは確かに同意だが交通の便を考えたら雪国の民は夏に目いっぱい楽しむ方が良い。命を守っていこう。
・いつでも準備会の皆さんやサークルの皆さんへの感謝は忘れずに。
今回もお疲れ様でした。紅白はそろそろLiSAさんが出ているあたり。
もう大変すぎたので冬には参加したくないな〜! という思いが強いものの、結局オタクなので推しの新刊なんか出たらまた参加してしまうのだろう。
学業も就活も趣味もドタバタした1年ながら、終わりよければ全てよしだ。
ひとまず死なんでよかったという事にしておこう。
そんなわけで今年大して更新もしてないブログを〆させていただく。
よいお年をお迎えください。